RSS | ATOM | SEARCH
スティーブンソンに日本のことを伝えた正木退蔵

こんにちは。

 

一昨日、吉田松陰の伝記はイギリス人作家のスティーブンソンが一番早く発表したことを紹介しました。

 

「なぜイギリス人作家が吉田松陰の伝記を書くに至ったか?」「誰が伝えたのか?」「なぜ?」など、興味は尽きませんよね。

 

この経緯に関して良書があります。

 

『知られざる「吉田松陰伝」−『宝島』のスティーヴンスンがなぜ?』(よしだみどり著)です。

 

私は数年前にこの本のことを知り、読み、感銘を受けました。

 

広島の酒の父として知られる「三浦仙三郎」のことを詳しく記した著書のある池田明子さんと同じく、この本の作者であるよしだみどりさんを尊敬します。

 

こういう方の努力があり、一般の人が素晴らしい人の存在を知ることが出来ます。

 

この本の中で特に私が感銘を受けたのは、スティーブンソンに吉田松陰のことを伝えた「正木退蔵」という人物です。

 

調べてみると、この人はとてつもない人物でした。

 

萩博物館のサイトの「萩の人物データベース」に正木退蔵のことが紹介されています。

 

1846年に武士の家に萩に生まれる。13歳で吉田松陰の教えを受ける。その後、大村益次郎からも教えを受け、英学を修め、イギリスに留学。その後、明治政府の官僚となり、イギリス人のお雇い外国人教師を日本に紹介。東京工業大学の前身の学校の校長となり、ハワイ総領事にも就任。

 

1878年、イギリスのスコットランドに滞在時にスティーブンソンと出会い、吉田松陰のことを熱く語ったのが、スティーブンソンの関心を引き、「ヨシダトラジロウ」という作品に昇華したわけです。

 

 

そこまでイギリス人の心に残る話を行った正木退蔵の人物の素晴らしさ。それには類まれな英語力も必要です。

 

松陰先生のもとでの学びは数カ月で終わったようなのですが、その出会いが教育者として、官僚として歴史をつくる仕事を生んでいます。

 

彼が日本に紹介したイギリス人(おもにスコットランド人)教師によりどれだけ多くの日本の学生が先進知識を学んだか。

 

彼が初代学長となった東京職工学校(今の東京工業大学)でどれだけ多くの人物が学んだか。私が大好きな陶芸の河井寛治郎、広島の酒の恩人である橋爪陽(はしづめ・きよし)もこの学校の出身者です。

 

その後、ハワイ総領事として就任した時期は、ハワイ王国と日本政府が官約移民の制度を持っていた時代です。この時にも正木退蔵がその場にいたのです。

 

 

スティーブンソンを感動させた正木退蔵は、あらゆる現場で誠意を尽くしてことにあたったのだと想像できます。

 

こういう人がいたので、今の日本があるのですね。

 

感動します。

 

 

 

 

 

 

 

author:eiko, category:本の紹介, 06:53
comments(0), trackbacks(0), -
「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」はわくわくする1冊です

こんにちは。

 

2週間くらい前に宇和島にいた時、深夜テレビで「はやぶさ」の映画を放送していました。

 

4月1日に訪ねた岡山県真庭市の「中和神社」が画面に出てきたので、思わず引き込まれました。

 

 

2003年5月に宇宙に飛び出して行った小惑星探査機「はやぶさ」は、2007年に機器の不具合で通信が途絶えます。宇宙で行方不明となった「はやぶさ」。でも、ようやく通信を回復し、2010年6月に小惑星「イトカワ」のかけらを持って帰って来た。

 

この話は当時とても話題となりましたよね。

 

私が見た映画は2011年公開されたもので、堤幸彦監督作品でした。

 

興味深い映画でしたし、「中和神社」が重要な場面に出てくるので、本でも読んでみることにしました。

 

 

『小型探査機 はやぶさの大冒険』(山根一真著」はわくわくする1冊でした。

 

少ない予算の中で、日本の宇宙開発を行っている科学者やエンジニアの姿に感動です。

 

2007年、ようやく通信が回復し、なんとか地球に戻る航行を続けていた「はやぶさ」のイオンエンジンの中心的な危機である「中和器」に不具合が発生。

 

最先端の科学者であるプロジェクトマネージャーの川口淳一郎さんが頼ったのが、神様です。

 

岡山県真庭市に「中和神社」(ちゅうか、と読みますが)の存在を知り、東京から日帰りでお参りに出かけます。

 

「中和神社」は牛馬の守護神として、道中安全のご利益もある神社だったんです。

 

すごい話ですよね。

 

 

山根さんの本の中には「中和神社」のお札の写真が掲載されています。

 

 

私は偶然ですが、今年の4月1日にこの神社を訪れていたので、しみじみしました。

 

 

 

 

 

 

 

author:eiko, category:本の紹介, 05:41
comments(0), trackbacks(0), -
「火花」が菅田・桐谷主演で映画化されます

こんにちは。

 

4月・5月に長距離で移動する日が多いので、新大阪駅で『火花』(又吉直樹著 文春文庫)を購入しました。

 

それで、旅の宿で読みました。

 

とても感じるものが多かったです。

 

 

ただ、NHKでドラマ化されているのですが、それを見ていないのですが、主役二人の配役がちょっと私の感覚とは違い、違和感がありました。本を読んでいても、その二人の映像が頭に浮かんでしまいます。

 

私のイメージでは、主役二人はクレイジーにはじけていて、繊細で、才能があって、面倒で、そして明るい。状況は絶望的にみじめであっても、きらっと輝いている。

 

 

それが、今朝、『火花』がこの秋に映画化されることを知りました。

 

主演の二人は菅田将暉と桐谷健太。最高の配役です。

 

監督は板尾創路。

 

期待大。

 

もう一度、読み直そう。

 

author:eiko, category:本の紹介, 05:30
comments(0), trackbacks(0), -
『本当はブラックな江戸時代』 は説得力あり

こんにちは。

 

久しぶりの本の紹介です。

 

このところ、ちょろちょろしていて、本を読んでいませんでした。

 

数ヶ月前に図書館にリクエストしていた『本当はブラックな江戸時代』(永井義男著)がようやく借りだせることになり、読んでみました。

 

とても説得力があります。

 

私はこの本のことを、雑誌か新聞の書評で知ったのだと思います。

 

その時『本当はブラックな江戸時代』という題に心ひかれました。

 

江戸時代をあまり理想化するのもおかしいと思っていたからです。

 

そんな訳はないでしょう。

 

 

 

この本はお勧めです。

 

そしてこの作者の他の本も読んでみたくなりました。

 

 

 

author:eiko, category:本の紹介, 05:58
comments(0), trackbacks(0), -
遠藤周作研究の第一人者・山根道公先生の講座が開催されます

こんにちは。

 

マーチン・スコセッシ監督作品『沈黙−サイレンス』を2回見て、余韻に浸っています。

 

遠藤周作研究の第一人者として知られる方が山根道公先生(ノートルダム清心女子大学教授)です。

 

この映画のパンフレットにも印象的な文章を書いていらっしゃいます。

 

その山根先生の講座が広島で開催されるので、紹介します。

 

 

NHK文化センター主催 遠藤周作『沈黙』と映画「沈黙」〜小説と映画をめぐって〜

 

日時は第1回が6月3日(土)、第2回が7月1日(土)。それぞれ15:30−17:30までの2回の短期講座です。

 

興味のある方はNHK文化センター広島教室に申し込んでくださいね。

 

映画のパンフレットです。資料として価値があります。

 

 

 

 

 

author:eiko, category:本の紹介, 05:03
comments(0), trackbacks(0), -
スコセッシ監督作品 『沈黙−サイレンス』 と原作を比べると

こんにちは。

 

2017年1月21日から日本で公開されていたマーチン・スコセッシ監督作品『沈黙−サイレンス』が、広島地区では3月10日に映画館での上映を終了しました。

 

私は1月22日と3月7日の2回、サロンシネマに見に行きました。

 

1966年に発表された遠藤周作の『沈黙』の英語版『Silence』を、28年前、スコセッシ監督はニューヨークの大司教から手渡されました。

 

その時に、衝撃を受け、映画化を心に決めたのだと『沈黙−サイレンス』のパンフレットに記載がありました。

 

この映画作品は原作者の遠藤周作と映画監督のスコセッシの個性がぶつかり合い、特異なケミストリー(出会いによる変化)を生み出した貴重な作品であると思います。

 

見逃した人は、またDVD化された時やテレビで放映される時に見ることをお勧めします。

 

 

そして、もっと興味のある方は、遠藤周作作品『沈黙』(新潮文庫)とその英語版である『Silence』(ウィリアム・ジョンストン訳)、そして今回のスコセッシ作品『沈黙−サイレンス』の3つを比較してみると興味深いですよ。

 

原作が出版された3年後の1969年に、ジョンストンはすでに翻訳を完成させています。すごい。

author:eiko, category:本の紹介, 05:00
comments(0), trackbacks(0), -
幕末の広島藩の動向が新聞で特集される

こんにちは。

 

3月1日・2日・3日の3日間、中国新聞の文化欄に「幕末の広島藩 大政奉還150年」の特集記事が掲載されました。

 

その記事によると、1867年10月3日、土佐藩が幕府に対して大政奉還の建白書を提出。

 

その3日後の、10月6日、広島藩も大政奉還の建白書を幕府に提出した。(このことが知られていない史実です)

 

これを受けて、10月13日、将軍徳川慶喜が約40藩の重臣らを京都・二条城二の丸御殿の大広間に集め、大政奉還の意思を表明。15日に朝廷の承認を得ている。

 

 

京都の二条城に行くと、この時の様子が大広間に人形を置いて再現しています。京都に観光に行った人は、このシーンを見たことがあるのでは。とてもよく知られている歴史上の事件ですよね。

 

いろいろと幕末関連の本を読んでいると、あれっということがあります。

 

それは、上記の場面で、薩摩藩の小松帯刀(こまつ・たてわき)、土佐藩の後藤象二郎、広島藩の辻将曹(つじ・しょうそう)の3名は藩主ではないのに、将軍より意見を求められたと記載されているんです。

 

幕末をリードした薩摩藩と土佐藩の重臣が意見を求められるのは当然として、なぜ広島藩の重臣に意見を求めたのかと疑問に思いますよね。

 

また、12月9日の「小御所会議」という決定的な会議が行われた席にも、広島藩の世子(せいし 次の藩主)の浅野長勲(あさの・ながこと)と辻将曹がやはり重要な役割を果たしていることが記載されています。

 

なぜ、この場にも広島藩が?

 

私はこのことがずっと疑問でした。

 

 

それが、この中国新聞の記事でようやく分かってきました。

 

特に3月3日の記事では青山教授のインタビューで「なぜ幕末の広島藩の注目度が低いのか?」が解説されています。

 

とても興味深い内容です。

 

この記事を書いたのは、中国新聞社の林淳一郎記者。この記事を読むと、この特集のきっかけとなったのは「大政奉還150周年記念プロジェクト」のようです。

 

このプロジェクトは、京都市の呼びかけで1月から始まった自治体間の交流事業。全国の21の市・区が12月まで幕末維新史に関するイベントを展開。中国地方では福山、萩、下関、高梁の4市が参加しています。

 

このイベントが、1月に京都でスタートしたのですが、ここで仏教大学の青山忠正教授が「大政奉還の真相」と題して講演を行い、その解説の端々に広島藩が登場したようです。

 

それで、青山教授の発言に興味を抱いた林記者がこの点を掘り下げて特集記事としてくれたようです。

 

今年の1月3日の中国新聞でも、他の記者の手によるものですが、幕末の広島藩の動向を丹念に追った特集記事が掲載されました。

 

ようやく、広島県人にも幕末の広島藩の動向がわかるチャンスが生まれました。

 

ありがたい。

 

とても興味深い本でした。また読んでみないと。

author:eiko, category:本の紹介, 05:40
comments(0), trackbacks(0), -
『応仁の乱』が売れに売れているらしい

こんにちは。

 

天橋立に向かう新幹線の中で、「週刊文春」を読んでいたら、とても興味をひかれる記事がありました。

 

「ベストセラー解剖」というコーナーは版を重ねている書籍を紹介してくれます。

 

このコーナーが楽しみなんです。あまり本が売れない時代といわれていますが、中にはびっくりするくらい売れている本がある。

 

それは必ずしも人気作家の本でなかったりします。

 

この週に紹介されていたのは『応仁の乱』です。著者は呉座勇一(ござ・ゆういち)さん。

 

2016年10月に発売されて、現在13刷。18万部が売れているということでした。

 

地味なテーマなのになぜ? 私はこの作者の名前を知りませんでした。

 

 

がぜん、興味をひかれたのは下記の文章です。

 

「古くは網野善彦さん、近年では磯田道史さんなど、日本史研究者には、時に、学識の確かさと読み物としてのおもしろさを両立させるスター学者が登場する。36歳とまだ若い本書の著書は、時代の有望株だ」

 

これは読まないと。

 

 

その後、も続きます。

 

3月2日のNHKの9時のニュース「ニュースウオッチ9」で、『応仁の乱』を特集していました。

 

現在、20万部売れているそうです。

 

今年は応仁の乱から550年なんだそうです。1467年から始まったので、そうなんですね。

 

呉座勇一さんに注目です。

author:eiko, category:本の紹介, 05:45
comments(0), trackbacks(0), -
「縦読み」に隠された民喜の心

こんにちは。

 

2日続けて、カープ関連で「縦読み」情報を伝えました。

 

「縦読み」というと、以前、遠藤周作作品の研究者の方からお聞きした話を思い出しました。

 

 

遠藤周作さんは学生時代、広島出身の作家「原民喜」(はら・たみき 1905-1951)さんととても親しくしていました。

 

シャイ(恥ずかしがり屋)な二人はなかなか人とは親しくなれない性格。とはいえ、遠藤さんが「シャイ」というのと、民喜さんが「シャイ」というのは、レベルが違う。

 

民喜さんにとって、遠藤さんの存在はかけがえのないものだったようです。

 

1950年6月、横浜港から遠藤さんを乗せた船がフランスに向けて出航して行きました。最後まで岸壁で見送っていたのは民喜さんだったと、遠藤さんは後に語っていたそうです。

 

さて、遠藤さんがフランスに留学する少し前のことです。遠藤さんのもとに、民喜さんから葉書が届きました。

 

そこには「次の謎を解いてごらんなさい」という言葉とともに、詩が書いてありました。

 

*********************************

エメラルドの空から
運命が湧いてでるなら
どうしてわたしは防ぎ得よう
運命のたわむれ
残された命

薔薇の蕾ふくらみ
かなしみの色、眼にひそむ

******************************** 

 

遠藤さんはその時に、この詩を「縦読み」すると、言葉が現れることには気がつかなかったそうです。

 

かなり経って分かりました。

 

「えんどうのばか」です。
 

 

分かった時にはすでに民喜さんは亡くなっていました。

 

悲しいですね。              

author:eiko, category:本の紹介, 05:35
comments(0), trackbacks(0), -
今年は漱石の生誕150周年です

こんにちは。

 

今朝、先日お会いした方からハガキをいただきました。

 

そこに、「菫程な小さき人に生まれたし 漱石」という句が添えられていました。

 

「菫」は「すみれ」。あの紫色の可憐な花のことです。

 

2月9日に投函されたハガキだったのですが、この日はちょうど夏目漱石の生誕150周年だとも記されていました。

 

昨年末に、このブログでも紹介したのですが、2016年12月9日は漱石没後100年の年でした。

 

そして、今年は漱石生誕150年。

 

夏目漱石の記念の年が続きますね。

 

 

昨年はNHKで漱石関連の素晴らしいドラマが2本放送されました。

 

1つは12月10日に放送された「漱石悶々」。漱石は49歳で亡くなるのですが、その死の前年の京都祇園での29日間をドラマ仕立てにしたものです。豊川悦司の漱石と、祇園の茶屋の女将「たか」を演じた宮沢りえさんが素敵でした。脚本は藤本有紀さん。陣わりした味わいがあります。

 

もう1つは9月24日から4回連続で放送された「夏目漱石の妻」。こちらは迫力の作品。猛妻として知られる(ひどい話ですが)鏡子夫人の視点から夏目漱石の人生を描いたもの。こちらの漱石は長谷川博巳さんが演じました。そして鏡子夫人役は小野真千子さん。

脚本は池端俊策さん。骨太です。

 

 

私は今後もずっと読み継がれていく作家は夏目漱石と遠藤周作だと思っています。二人の作品は、日本だけでなく、広く世界で読み継がれていくのだと思っています。

 

 

author:eiko, category:本の紹介, 05:47
comments(0), trackbacks(0), -