- この一冊が読みたかったんです 『幸運な男』
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2018.01.03 Wednesday
こんにちは。
1ヶ月くらい前、喫茶店で週刊誌を読んでいたら、「週刊ポスト」にとても興味深い書評に出あいました。
インターネット上のサイト「News ポストセブン」にその記事が掲載されていました。
橋本紀子さんというライターのそれは秀逸な記事です。
その中で、テレビ朝日『マツコ&有吉の怒り新党』の中の『新・3大“悲運のエース”伊藤智仁の記録より記憶に残る投球』というコーナーが縁となって、長谷川晶一さんという作家が『幸運な男 伊藤智仁 悲運のエースの幸運な人生』(インプレス)を出版する経緯が分かりました。
さっそく、この本を読むことにしました。
2018年に読んだ第1冊はこの本です。
とても心に染みる内容でした。
人として魅力的な伊藤智仁さんが目の前に現れてきます。
ピッチャーとして非凡な方だったのだそうですが、それ以上に、私にとっては人として非凡な人だと思えました。
取材中、何度も伊藤さんは「ラッキー」ということばを口にしたのだそうです。すごい才能がありながら、故障により年に10勝できなかった「悲運の」投手と言われていても。
この本を読んでいて、なぜ、彼が「ラッキー」と言えるのかがよく分かりました。
私はこういう人が理想です。
投手として大成功をおさめた黒田博樹投手は素晴らしい人だと思います。しかし、それは黒田さんが投手としてのキャリアを大成功で終わらせたからではありません。彼の生き方に敬意を表します。
伊藤さんにも同じことを感じました。
引退後、ヤクルトの投手コーチを努めていた伊藤さんですが、2017年秋にその職を辞し、ヤクルト球団を退団。
ここで、この本は終わっています。
この本の中にこういう文章があります。
「今回の対談劇は円満退社なのでしょうか?」
「別に円満退社でもないし、ケンカ別れでもないですね。僕らは常に1年契約です。(略)」
2018年を伊藤さんはどのようにして過ごすのか、気になっていたのですが、分かりました。
BCリーグという関東・東北の10の県で行われている野球リーグに属する富山県のチーム「富山GRNサンダーバーズ」の監督に就任していました。
これからも伊藤さんの野球人生は続いて行きます。
素敵です。